育休がそろそろ終わり、仕事復帰が迫ってきた。
周りの働くママは卒乳・断乳に向けていそいそと準備が忙しそう、、、。
「今まで母乳育児を頑張ってきたし、わが子が自然とおっぱいから離れるまでは続けたい」でも、わたしにできるかな、どうやったらいいのかな、、、。
そんなふうに悩んでいたりしませんか?
実は、仕事復帰をした後も母乳育児を続けている人の割合は50.9%もいるんです。
※「働く母1000人実態調査〜健康×子育て×働き方〜」
実際に仕事をしながら母乳育児を続けているママのお話を聞くと
- 授乳は子どもとの大切なスキンシップの時間だと感じている
- 授乳はママにとっても精神的な安定剤になって仕事の疲れが癒される
- 母乳に含まれる免疫成分を期待しているから出来るだけ長く続けたい
こんなふうに語ってくれます。
この記事では、仕事と母乳育児を両立していきたい働くママが、乳腺炎などのトラブルを起こすことなく、ママと赤ちゃんが母乳育児を満足して続けていけるような方法をお伝えします。
仕事復帰の時期
育児休業の期間は、子どもが出生した日から1歳の誕生日の前日まで。
保育園の入園が難しいなどの理由がある場合には、1歳6ヶ月(再延長で2歳まで)延長の申請をすることも可能です。
働くママは、保育園の入園状況にもよりますが、4月の入園に合わせて仕事復帰をする方が多くを占めています。
母乳育児を続けることのメリット
ママにとっての母乳育児
母乳育児の期間が長いほど、乳がん、卵巣がん、骨粗しょう症、糖尿病などの病気にかかりにくい傾向があります。
また、1日あたり最大500キロカロリーを母乳育児によって消費しているので、母乳育児を続けることによって肥満を防ぐこともできます。
赤ちゃんにとっての母乳育児
母乳は赤ちゃんに栄養を与えているだけではありません。
風邪や中耳炎などの感染症にかかりにくく、かかっても重症化しにくく、早く良くなると言われています。
赤ちゃんが病気でぐずったときには母乳を与えることですぐになだめることができます。
そして、母乳はオーダーメイドなので、どんな病気をしたかに関わらず、授乳をすることによって赤ちゃんを守り、病気の回復が早くなる傾向にあると言われています。
母乳育児のメリットは一生続く
ママにとっても赤ちゃんにとっても、授乳をすることでオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌され、お互いの結びつきを強く感じることができ、お互いの精神的安定剤ともなります。
母乳育児のメリットは、続ければ続けるほど、ママにとっても赤ちゃんにとっても増えていくと言われています。
乳腺炎を予防するために
乳腺炎になるきっかけ
乳腺炎は、母乳が乳房内にたまった状態があり、そこに感染が伴うこともあります。(必ずしも細菌感染を伴うとは限らない)
乳腺炎に関しては食事との関係を聞くことが多くあるかもしれませんが、母乳育児と食事制限をすることには根拠がないと言われています。
乳腺炎になるきっかけとして
- 授乳回数や間隔を制限している
- 乳房の含ませ方が浅い
- 乳汁分泌過多
- 乳頭に傷がある
- 急な断乳
- 乳房への圧迫(おんぶ紐やきついブラジャーなど)
などが言われています。
乳腺炎を予防するためにできること
仕事復帰をするとなると、今まで通りに授乳をすることは出来ず、授乳の回数が減ります。授乳の回数が減るということは母乳が乳房の中に貯まった状態が続きます。
乳腺炎にならないために、そして母乳の分泌を維持できるように、授乳のペースを調整したり搾乳が必要になります。
保育園や職場との協力体制
保育園では
母乳育児を希望していることを伝え、冷凍母乳を持参することも可能です。
保育園の方針などもあるとは思いますが、冷凍母乳の受け入れをしてくれている園もあるので、お願いしてみるのもいいでしょう。
※母乳にやさしい保育園
職場では
仕事復帰したママたちからは、職場には搾乳するためのプライバシーの保たれる場所はなく、「トイレや休憩室の隅で搾乳を仕方なくしています、、、」といった声が聞かれているのが現状です。
搾乳するタイミングや場所など、職場の人と話しをしておくのをお勧めしています。
搾乳と母乳の保存について
□搾乳の目的
- 赤ちゃんに母乳を届けるため
- 仕事中に乳房の張りすぎを防ぐため
- 母乳分泌を維持するため
搾乳をしたことがない場合には、仕事復帰をする2週間くらい前から搾乳の練習をしておきましょう。
搾乳は、手搾と搾乳器のどちらでもかまいません。
□搾乳の回数の目安
(子どもと離れる時間により変わります)
- 4時間未満 搾乳は不要
- 4〜6時間 最低1回搾乳(最後に授乳した2〜3時間後)
- 8時間以上 3時間毎の搾乳
仕事復帰までに授乳回数の調整できている場合には、仕事中に乳房が張りすぎて困るということは少なく、搾乳をしなくても母乳分泌を維持していけるようになります。
参考サイト:NPOラクテーションコンサルタント協会 母乳育児Q&A 仕事と保育園
□搾母乳の保存
搾乳してそのままの新鮮な母乳は
25〜35℃では4時間
15〜25℃では8時間
15℃未満では24時間
保存できます。
搾乳した搾母乳は冷蔵庫の奥の方へ保存しておくことをおすすめしています。
冷蔵(2〜4℃)では、8日間まで保存できますが、冷蔵庫の開閉で影響を受けるので、3〜5日以内に使用するのが望ましいです。
参考書籍:母乳育児支援ガイド ベーシックコース 医学書院
※おすすめ搾乳器の紹介
まとめ
この記事では、仕事と母乳育児の両立をしていきたい働くママに向けて、仕事復帰後の母乳育児について解説してきました。
乳腺炎を予防するためのケアも大切ですが、それだけではなく、職場や保育園の協力体制があることでもっと母乳育児を継続しやすい環境になります。
WHO(世界保健機構)は2歳以上母乳育児を続けることを推奨しています。
「母乳育児を仕事復帰後も続けたい」という気持ちがある場合は、「仕事復帰=母乳を止める」ではなく、母乳育児を続けるという選択肢もあることを知っておきましょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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