きれいに治そう、帝王切開の傷あとのケア
帝王切開で出産する人は妊婦さんの5人に1人、どの妊婦さんにも帝王切開になる可能性があります。
帝王切開が決まったそのとき、自分と赤ちゃんのためには必要な手術とは分かっていても、その不安とともにあるのが手術の後にできる「傷」のこと。
「手術の傷はどれくらいの大きさ?」「痛いだろうなー」「傷はきれいに治るの?」「後に残っちゃうの嫌だなぁ」妊婦さんからいろんな声を聞きます。
この記事では、帝王切開をしたときにできる傷について、そして傷をできるだけきれいに治すためのケアについて解説をしていきます。
帝王切開の傷の経過
お腹の切開の方法
帝王切開のお腹の切開の方法には、縦切りと横切りがあります。
最近では傷が目立ちにくいビキニラインで切開する横切りを選択することが多くなっています。
病院によって違いはありますが、手術した後の傷は、医療用のホチキスが使用されていたり、専用のテープで固定されていたり、手術の糸で縫い合わせたりしています。
お腹の傷の治る過程
術後3日程度
傷口が閉じ、傷の赤みや腫れが生じる
(通常48時間程度で皮膚表面の傷は閉じる)
↓
術後3日〜1週間
傷の赤みやかゆみが生じる
↓
術後3週間〜1年
炎症がおさまり、肌の色に近い傷あとになる
傷が治っていく過程において、皮膚が引っ張られたり擦れる刺激によって、傷が盛り上がり目立つ傷となることがあります。
できるだけ傷がきれいに治るようにケアしていけるようにしましょう。
帝王切開の傷あとをきれいに治すためのケア
傷あとになる原因
□体質
女性ホルモンや高血圧がケロイドの重症化に関わっていることが分かっている
ケロイドになりやすい体質は遺伝すると言われている
□物理的な刺激
皮膚が引っ張られること→縦切りは皮膚が外に引っ張られるため、傷あとになりやすい
皮膚への摩擦→下着などが擦れることによって炎症が生じるため
体質的な部分の予防やケアは難しいですが、傷への物理的な刺激を少なくすることで、傷が赤みを持って盛り上がったり、ケロイドになったりすることを防ぐことができます。
※ケロイド→傷の範囲を超えて赤みと傷のもり上がりが広がり、痛みとかゆみが増す。
傷あとケア
傷あとケアは、物理的刺激を少なくすることが大切です。
なぜならば、擦れることは物理的刺激となり傷あとになりやすいからです。
それを予防するためには、皮膚を保護するテープを使用したり、日常動作では傷あとに負担のかかるような動きや運動を控えたりするようにしましょう。
傷あとケアに使えるテープ
傷あとは3ヶ月から1年をかけて治っていきます。
退院前の診察後すぐに始めて、最低でも3ヶ月は続けましょう。
傷あとが肌の色に近づいてくることがケア終了の目安です。
できれば6ヶ月から1年はケアを続けることがおすすめです。
テープは、ドラッグストアで買えるものもありますが、インターネットの方が種類も豊富で自分に合ったものが選べて便利です。
以下にいくつか紹介しておきます。
傷あと保護&肌にやさしい不織布テープ
テープを3cmほどの長さに切り、傷に対して直角に貼ります。
テープを重ねながら、傷を全部覆うようにしてください。
傷を寄せながら少しずつ貼るのがポイントです。
アトファイン
帝王切開の傷にはSサイズかMサイズがおすすめです。
レディケア
シリコンゲルシートで1箱2枚入りで繰り返し使うことができ、約2ヶ月間使用可能。(個人差あり)
まとめ
帝王切開の傷は「命のまど」とも言われます。
赤ちゃんが生まれてきた場所を子どもに見せながら伝えることもできますね。
そして「ママが赤ちゃんと自分の命のために頑張った出産」その証として残るものでもあります。
丁寧にケアをしてきれいに治せるように傷あとケアをしていきましょう
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